32冊目『あおくんときいろちゃん』

 

あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本)

あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本)

 

 「おともだちが たくさん でも いちばんの なかよしは きいろちゃん。」

 

仲良しのあおくんときいろちゃんが、合わさって緑色になるおはなし。

スイミー』で日本でも有名なレオ・レオーニの代表作、らしい。かきそえにて訳者の方が語った、

「子どもと語るにはファンタジーが必要だが、そのファンタジーというものの、ほんとうの姿を、こんなに純粋に示してくれた本をわたしは知らない。」

という素晴らしい言葉がある。まさにそのとおりの本。(手抜きの感想)

「だのに あおくんは きいろちゃんと あそびたくなりました」とあるけれど、この頃から「だのに(そうだというのに)」という略語は使われていたのか。というより80年代の流行言葉か。そう考えれば「ないて ないて なきました ふたりは ぜんぶ なみだになってしまいました」も80年代っぽい言葉のセンス。訳にも流行や、当時の言葉があるんだろうな、ということを考える。

 

一応備忘録的に書いておくと、二つの色が混ざり合って全く違うものになるということは、自分にとっては恐怖にも思える。そのとおり、全く違うみどり色になってしまったあおくんときいろちゃんのことを、親たちは最初自分たちの子だと思えなかった。最後には理解もあるけれど、その理解が途方もなく難しいことだとも語っている気がする。青の問題と黄色の問題。融和は素晴らしいことであると同時に、無理なことでもある。

 

「こどもたちは ばんごはんまで たのしく あそびました」