138冊目『たべもんどう』

 

たべもんどう

たべもんどう

 

「いまから ぼくたち もんだい だすよ ぜんぶ こたえられるかな?」 

 

食べ物たちが出すクイズに答えていくおはなし。ムッシュかまやつTシャツが気になる。

 

クイズそのものも楽しいけれど、今作の魅力はそのリズミカルな文章にあると思う。

「きゅうきゅうきゅうりのきゅうきゅうしゃ」

「ころころコロッケそろってごろね そろそろおこしていいころね」

果てはクイズもだんだん文章によってきて、

「かぶが ぶり がぶり

 つっかえないで れんぞく10かい いえるかな?」

などと絵がある必要のない問題ばかりになってくる。しかしその絵もとても魅力的で、蕪の寿司職人が大きなブリをがぶりと食べているさまは非常に間抜けで面白い。

 

「もじゃもじゃがいももじゃがいも なにをするにもけがじゃまいも」

「まいったまいたけまたまけた またいけまいたけ たまたまいまだけ まけただけ」

これは早口言葉ゾーン。もじゃもじゃのじゃがいもは表紙のようにおどけた顔をこちらに見せている。

「はんふらこし とうばーい えびもろぐ

 ぼくたち3にんごちゃまぜだ ほんとはだれだか わかるかな?」

では三つの食べ物たちがバラバラになって組み合わされている。はんふらこし、とうばーい、でなんかアニラジの挨拶のようである。

 

「もち!パン!チョコ!のり!ハム!とうふ!」

勢い!!仲間はずれがどいつかという問題なんだけどいやそんなことより勢い!無駄にキメている食べ物たちの顔もいい。ちなみに正解は形が丸いハムでした。きり方の問題!!

 

てな感じで声に出して読むと更に面白く読めること受けあい。問題は真剣に取り組んでもいいし、無視してしまってもいい。最後の夕日バックの食べ物たちまで、この食べ物はご馳走だ。ごちそうさまでした。

 

「もんだい ぜんぶ わかったかい

 こんど きみと あうときは いつか どこかの しょくたくで」