28冊目『うさこちゃんのにゅういん』

 

「そこ いたいこと するとこでしょ? あたし そこへ ひとりで いくの?」

 

うさこちゃんがなんかしらの病気になって、なんかしらの患部を病院で取り除いてもらえるおはなし。

 

前述のとおり病気部分がすごく曖昧なのだけれど、今まで読んできたうさこちゃんシリーズで一番ぐっときた。それは、病院っていう一番怖い場所への“不安”が描かれているからと思う。今まで喜びや悲しみ、驚きはうさこちゃんでみてきたけれど、不安は初めてだ。

 

裏表紙にもいるのだけど看護婦さんがとても可愛い。といっても、ふわふわさんに看護帽をかぶせただけだけれど。とても可愛いので、最後のページではうさこちゃんにその看護婦の人形(こっちはうさこちゃんそっくり)が渡される。不安が解消され、喜びになる瞬間だ。幼い頃、入院を繰り返していたころのある自分は、その喜びがとてもよく分かったし、不安が痛烈に響いた。嫌だよなあ病院。そしてそれを乗り越えるまでを見せてくれるのはとても優しくてあたたかい本だ。

今度行くうさこちゃん展が俄然楽しみになってきた。

 

「あたし にゅういん するの ほんとは きらいじゃ ないんだわ」