24冊目『最初の質問』

 

最初の質問 (講談社の創作絵本)

最初の質問 (講談社の創作絵本)

 

「“うつくしい”と、あなたがためらわず言えるものは何ですか。好きな花を七つ、あげられますか。あなたにとって“わたしたち”というのは、誰ですか。」

 

質問の形で投げかけられる詩とそれに相対する絵のおはなし。

長田さんは詩のほうを何度か読んでいたけれど、調べてみると絵本の著作がとても多くて驚く。『最初の質問』は2013年のものだし、去年も何冊も出されていたようで。知ろうと思えなきゃ知れないことの多いこと。

で、本書の特徴としてはその質問が、質問自体が答えだったりするものがほとんどということに思う。例えばその質問を反芻して自分なりの答えを出して読むのもいいけれど、その質問、というより疑問のほうを大切にする。本文のなかにこういう一節もある。

「問いと答えと、いまあなたにとって必要なのはどっちですか。これだけはしないと、心に決めていることがありますか。」

質問は誰にでも向けられていて、時に子どもに、時に老人に問いかけている。問いが大切な時期や人もいるし、答えが必要な瞬間や事象もある。今、その最初の質問で、あなたが何を考え感じるのか。言葉は少し難しいけれど、人に優しい本だと思う。もちろん絵も素晴らしい。お気に入りは何度も登場する樹。

 

「時代は言葉をないがしろにしているーーあなたは言葉を信じていますか。」