27冊目『うさこちゃん、びじゅつかんへいく』

 

「ちいさすぎる? どうして?わたしもう おおきいよ。」

 

うさこちゃんが美術館に行くおはなし。

もともと色彩が華やかなこのシリーズでも随一の華やかさを持っているのは、美術館という設定のおかげか。いや、お話もとてもいい。うさこちゃんがくまの石像を本物だと勘違いして叫んだり、単純な絵を見て私にも描けると思ったり、縞模様の絵をみて一言。

「でも、どっちからみたらいいのかしら? ほんとうはよくわからない。」

 

 うさこちゃんはよくどこかに行くけれど、ちゃんと親と一緒に帰ってくるから安心して読めるのだろうか。てっきり平沢大先生の「美術館で会った人だろ」ばりのカッケー展開になると思っていたからちゃんと帰ってこれて安心した。うさこちゃんが「たのしいところだったけど家に帰らなくちゃ」と思うその気持ちを、自分も大事にしていきたい。

 

「おおきくなったら そう、あと 2 3ねんしたら

 わたしがなにになるか わかったわ。」