13冊目『ロボくんとことり』
「ロボくんはことりをむねにだいて、あついさばくをへいきでこえていきました。」
やなせたかしさんが1999年に出した、砂漠のオアシスを探す職業のロボと偶然出会ったことりのおはなし。
ロボくんの色合いがひっそりと地味だなあと思ったけれど、そうかこれは水の色か。砂漠から飛び出すときや最後泉に潜るとき、彼は彼自身が水になって他の命を愛で満たしていたのだ。
まえがきにて、やなせさんが「ぼくは、声高に叫ぶことがきらいです。絵本もできるだけ、たんたんとつくります。ただ、わかりやすくて面白いものを作りたくて、工夫をします。」といっているとおり、何十年も絵本を作ってきた先生だからこその、驚きはしないけれど驚くべき技術によって作られている。
なんとなくスキマスイッチの「アカツキの詩」という曲のPVを思い出した。砂漠とロボ。そして大きくて頼りになるロボはいつも誰かを助けることによって助けられている。ヒーローはやはりこういった存在であって欲しいなと思う。
「ロボくんのむねにすながはいったとき、わたしがとってあげるの。ロボくんのしごとをあたしもてつだいたいのです。」