123冊目『おや?おや?おや?のえほん ねじ』
「なぞなぞなぞねじ……ねじねじ。」
ねじの写真を使ったなぞなぞのおはなし。なぞは意外と難しい。
たまにある写真絵本のなかでもこれはずいぶん異彩を放っている。なんと写真の対象がねじだ。しかも普通のねじではなく、何かの絵に見えるように配置や色を凝ってつくったねじ。小さいのも大きいのもあり、全て揃って大きな画になっている。
「だい いちもん かがみをつかっても ぜったいにみられない かお どんな かお?」
なぞなぞには丁寧にヒントも書かれている。
この謎の答えは、「ねがお」。人の顔や布団の模様まで、全て実物のねじで描かれていてどれもが美しい。
「じぶんの ねむっている かおが きみは みられるかい?」
「だい さんもん 10この かいで できた こわいもの なあに?」
ヒントはたくさんのイチゴ。1が5こでイチゴ。答えは「かいじゅう」となる。この問題にはおまけもあり、
「8が3つなら はちみつだよ。」
と楽しい問いかけも。さすがにハチミツはネジで描けなかったのか、その図はなかった。
四問目の秋の月や五問目のたくさんの人も、そのどれもがねじでできている。皮肉でもなんでもなく、何かの“部分”であるところのねじが全てを構成している世界は、みていてとても楽しい。子どもが手に取ったら一日中きゃっきゃと読んでいられる本。
「たのしくって たのしくって だれも ないては いないけどね。」