115冊目『はなよめになったねこ』
「月の きれいな よるの ことです。」
好きになった男を助けるため、人間になった猫のおはなし。籍はこれ入れてないのでは。
世界名作アニメ絵本より1冊。お話はむちゃくちゃだけれどもそれなりに楽しかった。
街のレストランから聞こえてくるピアノの音が気になった猫のミーシャ。近寄ってみると、 ピアノを弾いている若い男の姿が見えた。少し待っているとその男は店から出てきて、短い間の逢瀬を行う。しかし相手は猫と人間。男が病気をしたときですら、なんの助けになることもできない。猫はそこで、人間になって男を支えることを決意する。
「では 人間に してあげましょう。くすりも あげます。でも おりょうりや おそうじも するんですよ。」
ここから人間の姿になったミーシャが楽しそうに買い物をしたり、火がこわいからと料理をしないくだりがあるのだけれど、正直このあたりが一番読んでいてきつかった。のちに猫の姿に戻ったとき人間に厳しくあたられるのもセットで、なんだかちょっと猫と女を馬鹿にしている気がする。もちろんこれだけ語り告がれているお話でそんなこともないと思うが、何の文句もいわずに最後までミーシャを受け入れ続ける男のことがなんだか可哀想にみえてしまった。つらい目にあったのは君だけだ。
「つらい目に あったんだね。ぼくも、きみと おなじだよ。」
おおむね楽しいけどもアニメの映像があるならアニメでいい気がする。アニメ絵本自体は嫌いでないので、もう少し好きそうな話があったら読もう。
「わかものが ひく オルガンを ききながら、ミーシャは しあわせそうに のどを ゴロゴロ ならしました。」