87冊目『こねこのねる』
「きれいな すかーとを はいてます。ねえ みてごらん、そうでしょう?」
子猫のねるがインディアンに憧れるおはなし。いんであん。
2ページ目でいきなり号泣しているねるに面食らうも、ねるはどうしてもいんであんになりたいらしいから仕方ない。ちょっと分かり辛いのはこの時代のアメリカの子どもたちにとって「いんであん」ってどういう立ち位置だったのだろう。日本でいう原始人?よりもあたらしいところで貴族や武士だろうか。武士ならチャンバラに励む子どもが兜をかぶりたい、くらいの気持ちなのかもしれない。でもねるはきっと女の子なのだけどな。いまいちそこがつかみきれなかった。
いんであんへの道を探して、花と鳥を経由し魚に出会うねる。魚は、ねるをいんであんのところまで連れて行ってくれるらしい。安心して猫のねるが魚に乗ると、途中でサルに出会う。そうしてそこにたくさんのいんであんがやってくる。
「よく きた ねるちゃん。うれしいよ」
ブルーナの背景1色にたくさんのキャラクター、というスタイルは変わらず、うさこちゃんと違い幻想色を多用している。最後の真っ黒な背景は夜をあらわしているのだろうか。ぶっつり切れて終わったようにみえるお話も、ねるはこのあとすぐに眠りにつくからだろう。一日を大切に遊び、子猫のねるは寝る。寝よう疲れてるんだ。
「おもしろかったわ。ありがとう」