81冊目『もくようびはどこへいくの?』
- 作者: ジャニーンブライアン,スティーブン・マイケルキング,Janeen Brian,Stephen Michael King,すえよしあきこ
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
「よるのあいだに なにが おきているんだろう。ぼくの おたんじょうびは どこへ いっちゃうんだろう。」
木曜日にさよならをいいたくて、木曜日の姿を探しにいくおはなし。木曜日は楽しい特別な日。
スプーの木曜日は誕生日で楽しいことだらけ。余りに楽しすぎて、木曜日がいなくなってしまうことに納得がいかない。
「ぼく、もくようびが いっちゃう まえに、さよならって、いいたいな。」
スプーはともだちのハンブーと連れ立ち、木曜日にあいにいくことにした。
川の下から声がしたので、「もくようびくん、きみなの?ぼくたち、さよならを いいに きたんだよ。」と声をかけるも返事はない。同じようにふくろうにも、魚にも、列車にも、波にも問いかけてみるものの、やはり返事はない。星は常にチカチカと瞬いている。
途方に暮れ帰宅しようとする2人は、木曜日は一体どんな形をしているのか語り合う。
「それはね、おおきくて まんまるなんだ。ボクの おたんじょうケーキみたいにね。でね、ろうそくみたいに あかるいの。
でね、ふうせんみたいに ぼくを たのしくしてくれるの。ぼく、もくようびって、そういうの、みーんな たしたものだとおもう。」
その後2人は木曜日にようやく会うことが出来る。実体の無い物を探そうとして“これ”に行き当たるお話はたくさんあるけれど、そのなかでも屈指の美しさ。そういえばずっと木曜日は、スプーの近くでスプーを楽しませ続けてきたのだ。
“これ”にその日一日の楽しかった思い出を全部詰め込んで、スプーは叫ぶ。
「さよなら もくようびくん!さよなら!」
また明日もきっといい日になる。木曜日にさよなら。
「おひさまが きんようびを つれてきてくれるまで……。」