80冊目『やぎのしずかのたいへんなたいへんないちにち』
「しずかは むちゅうになって たべていたので、はっぱのうえで ひるねを していた バッタの あしをかんでしまいました。」
やぎのしずかに訪れる災難と素敵な唄のおはなし。
まあ多少しずかは自業自得だなあとも思う。双子の赤ちゃんにおっぱいをあげるためにたくさん草を食べていたらバッタに仕返しされ、カエルに仕返しされ、ナマズに仕返しされ、最後はコジュケイの大群に仕返しされ、崖から落ちる。その全てがしずかがあまりに暴れるので昼寝を邪魔したり巣を壊されたりしたことへの復讐である。
しかし例によって例のごとく、復讐は何も生まない。崖から堕ち、大きなキャベツに顔を突っ込んだしずかをみんなが可愛そうに思う。そして助けてあげたあと、みんなで<よかったね よかったね>の唄を歌うのだ。
その唄は、「にんげんの つかう がくふで あらわせないのが ざんねんで なりません。」
絵の雰囲気が独特で、他の作品も読んでみたくなった。とりあえず作者紹介から気になった、『いろいろあってもあるきつづける』から読もう。