74冊目『ぼく、仮面ライダーになる!オーズ編』
「かんたろうの たからものは、仮面ライダーの おもちゃです。」
仮面ライダーにあこがれるかんたろうくんが、妹を助けるために仮面ライダーになるおはなし。
有名シリーズのオーズ編。ライダー自体に愛着がないほうが楽しめるかなとほとんど未見のオーズ編を読んだ。
ライダーの本編を見ていると「元々子ども向けに作られているものを更に幼児的解釈で1冊作るのはどうなんだ」とも思うかもしれないけれど、お話自体は非常に全うですばらしい。妹のアンちゃんを嫌っていたかんたろうくんが、
「わるいところも ぜんぶ ひっくるめて、アンちゃんは、ぼくの いちばんの たからものなんだ!!」
と気づいた瞬間、正義の心が目覚め仮面ライダーに変身。いわゆる平成の仮面ライダーは、「人間を守る」という大きな使命よりも「誰かを守りたい」「自分の望みを叶えたい」という思いで変身するパターンが多い。オーズもちょっと検索してみると、この絵本がだいぶん本筋に沿って作られたものだということが分かる。
「みらいをかえるのは ぼくしかいないんだ!」
「わるいところも いいところもあって ボクの だいじな かぞくなんだ!」
しかし途中までの子どもの絵が可愛かったぶん、中盤からわらわら出てくるショッカーや怪人が異常に間抜けなのは笑った。こうもり男はもう少し凝ってデザインしてあげたほうがいいのでは。
それ以外は期待以上に面白かった。ショッカーや怪人には常に引っかかるけれど、話はちゃんとヒーローの話。次はガイム篇が読んでみたい。
「まるごと すべて うけとめろ!ぼくは、仮面ライダーだ!」