63冊目『クッキー・サーカス』

 

クッキー・サーカス

クッキー・サーカス

 

「まず、さいしょに ピエロをつくりました。」

 

クッキーで作ったサーカス団が動き出し、少年と遊んでくれるおはなし。そうじをするひと。

やっぱり絵本の醍醐味は絵なのかなあという、文章だけではいまいち説明しづらい本。はじめにピエロをつくり、次に音楽隊、ゾウ、猛獣使い、足長男……。どんどんサーカスを完成させていき、一気に焼き上げる。純粋に感心したのは、ここで一枚絵でかかれる「サーカス団」の全員が、後に動き出したときにひとつ残らず存在すること。果てはいてもいなくてもいい、でも少年のサーカス団にはいなくちゃ駄目な“そうじをするひと”も存在して、せっせとそうじをしている。そのあたりがとても楽しい。と同時に、最後、みんなでクッキーを食べるとき、そうじをする人にあたった人がいたらちょっと同情するだろう。

 

出来上がったクッキーを前に、疲れて眠りにつく少年。夢の世界のような、はたまたそうでないようなお話。読んでおなかが空く本は良い。

 

「ぼくが つくった とびきり じょうとうの クッキーだよ!」