49冊目『6月のあかちゃん』

 

6月のあかちゃん (リブロの絵本)

6月のあかちゃん (リブロの絵本)

 

「あじさいいろの、あめのなか わくわくいろの、かささして」 

 

梅雨の迫る6月のあかちゃんのおはなし。

うーわーなんだこれ、面白い。詩篇のようなのだけれど、ちゃんと絵本としての面白さも保っている。「あじさいいろの、あめのなか」、全て通り過ぎていったのちに生まれてくるあかちゃん。あかちゃんというのがそのまま“希望”ととることもできる。

 

「あじさいいろの、あめのなか よていびいろの、かささして」には、予定日色の傘ってなんだよ!と思ったりした。うすーい緑色が予定日色。他にも熱烈色は淡い朱色で、マシュマロ色は黄色(マシュマロの色ではない気がする)。

自分は元々詩を読むことが好きで色々本を読むようになった口なので、純粋に詩としての面白さと絵本の楽しさが融合しているものをみるととても嬉しくなる。『アライバル』のように絵の凄みだけで言葉を持っているのも好きだけれど、せっかくなら読んでいて気持ちのいい日本語を読みたい。その欲求にこれでもかと答えてくれる作家さんだなあ。

シリーズ物の1作としての本作がまた味わい深い。まだ6月はきていないけれど、「あじさいいろの、あめのなか」にたてるのなら、梅雨もわるくないなと思った。もう少しだけこのシリーズ読みます。

 

「あじさいいろの、あめのなか おまたせいろの、かささして。」