44冊目『ぼく おかあさんのこと…』
「にちようびのあさは いつまでも ねてる。いつまでも いつまでも。」
おかあさんのことが嫌いなうさぎの、裏腹な感情のおはなし。
やっぱり、酒井駒子さんの文章もめちゃくちゃ良い。「おかあさんのこと…」「キライ。」でフォントを変えるとこだったり、そこでぷいっとした表情だけを見せるページなんてのも、文章と絵が同じ人でないとなかなか見せられない表現だよなあ。
「それから えんのおむかえだっておそいし おせんたくわすれるから、ぼくのくつした きょうもきのうも おんなじのだし それからーー」
「それから それから それから」
「ぼくが おおきく おおきく おおきく なっても ボクとは けっこん ムリっていう。だから キライ。」
子どもの感情は時に裏腹だけども、サヨナラした子がひっそりと帰ってくるところはなによりも感動する。そうだよ、こういうのでいいんだよこういうので。可愛さと暖かさがつまった良作。絵もとてもいいし、なんかぬいぐるみが出てるようなので欲しい。もうそういうので部屋をあふれさせたい。
「ぼくと またあえて うれしい?」