42冊目『猫のプシュケ』
「女の子は思い出しました。お母さんが教えてくれた、愛のかみさまが永遠の恋におちるおはなしでした。」
心を閉ざした女の子と、その女の子に恋をする猫プシュケのおはなし。
なんとなく猫の絵本を探していたら、Goose houseという聞き慣れた名前を見かけたので読んでみた。上で引用している文章からももうその片鱗が伺えるのだけれど、文章力に分かり易く難あり。何言ってるのかよく分からない文章が多々あった。しかし、描こうとしている恋の物語は面白い。あー、アーティストの人が描いた絵本だなあ、というのがすぐ分かるようになっている。
特徴的なのは語りかける台詞。
「どうか 女の子に 愛が 伝わりますように」
「ありがとう。ぼくの 愛のかみさま。きみにずっと 恋していたんだよ。」
言葉にしてみればみるほど恥ずかしくなるようだけれど、確かにラブソングの歌詞でならありそう。そして実際にこの本をモチーフに(あるいは逆に?)1曲あるらしい。
個人的お気に入りはプシュケとの別れのページ。お月様も成長しなかったプシュケも、同時に描かれていて美しい。そのときのプシュケの言葉。
「きみの 未来は ぼくには 遠くて、もう いっしょには 歩けないけれど、
きみを 愛しているよ いつまでも」
文章の読みにくさは本当にどうにかしてほしいけれど、この場面があるだけで素晴らしい1冊。曲の方も聴こう。
「それは まるで 永遠の 愛の色の ようでした。」