34冊目『さよならペンギン』
「あれれ、またまた、まいごになっちゃったぞ。こんなところに くるつもりは なかったのにな」
すぐ迷子になるペンギンが世界中を旅してお気にの海パンと出会うおはなし。
39年前に糸井重里と湯村輝彦が出した絵本を、2011年の新装版で読んだ。さよならの気軽さ。タイトルから重々しい話なのかと想像したらまったくそんなことはなくて、とにかく気軽にさよならするペンギン。
「また、あいましょう。みなさん、さよなら」
「ゆっくりしてられないんですよ。じゃ、みなさん、さよなら」
「さよなら」「へんなペンギンだね」
その気軽さで楽しく読めてしまううえに、イラストが今の時代でも愉快。俳優の顔をトレースしたような人間がすみずみにいて、ペンギンだけは絵本らしくペンギンなのでそのギャップに笑ってしまう。海パンの似合わなさもいい。
迷子って言うかほぼワープのペンギンは、次はあなたのもとに飛んでくるかも。というか飛んできたから今読んでるのか。楽しい読書体験だった。
「なんか、そんしたような きがするけど さよなら」