25冊目『ムーム』
「ムームはなんとかしてあげたいとおもった。ルミンにわらってほしかった。」
物から思い出を引っ張り出して浄化する生き物ムームとその思い出ルミンのおはなし。
モチーフがわかりやすいのでそれなりに多角的に読める本なのだろうけれど、自分には最後まで刺さらなかったなあ。りんごをむしゃむしゃ食べているルミン(女)に恐怖すら覚えた。あるいはそういった恐怖すらも記憶に思うものなのかも。
絵本で描かれる物語が何かの代償にしかみえないときはあんまり楽しく読めていない。おそらく映画も演劇もそうで、これはそういうメタファーですよー、をがんがんに打ち出してくる作品はどうかなあと思う。ムームはもっと寂しいやつだから、別れも何もないムームの日常ならもっと読んでみたいと思った。
「ねえ ムーム。わたしもう かなしくない」