23冊目『のはらのスカート』
「スカートがひろがり、からだがうきあがるようにかるくなりました。」
ゆかりちゃんが蝶と花を蓄えて、のはらのスカートをつくるおはなし。
このタイプの淡い絵本は初めて読む。ゆかりちゃんも蝶も花も、なんだかとてもふわふわしている。ザ・女の子の絵本って感じだ。でもそれだけではなくて、女の子にとってどれだけ空想が大切か、そしてその空想がたとえ無意味でも構わない、といった少女漫画にも通ずる女の子論が展開されている。ふわふわしたスカートには女の子の大切なものが全部詰まっていて、それがのはらのスカートになる。
おかあさんにもみせてあげようと走り出したゆかりちゃんは、そこではたと現実に帰ってしまった。けれどのはらのスカートはずっと君の宝物だ。幼少時代に描いてたファンタジーが無駄なものにならないよう、ゆかりちゃんには生きていって欲しい。素敵な女の子の物語だった。
「のはらのスカートは、いまでもゆかりのいちばんのたからものです。」