15冊目『どうするジョージ!』

 

どうするジョージ!

どうするジョージ!

 

「ぼくはいつでもいいこだよ。いいこじゃなかったことなんてあったかな」

 

 飼い犬ジョージが「ひとりでいいこにしててね」という言葉に自身の湧き出る自由を我慢できるか、できないか、できねえよ!のおはなし。全然出来ません。

絵本というのがページをめくるという行為において一番娯楽性が高いものだとすると、2014年12月に日本で発行されたばかりのこの本は間違いなく最高の絵本。ジョージはいいこにしていると自分で言った言葉を曲げまいと、いったんは「どうする!」と悩むそぶりを見せるのに、次のページでは見開きで「えーーっ!!やっちゃうの~~!?」と予想外の動きを見せる。これは子どもだって大人だって面白くないわけがない。

絵も日本語訳のフォントも全てが愉快で、でも後半ジョージが反省していいこを務めようとする様はとてもぐっとくるものになっています。本当は“ネタバレ”をしたくないほどの仕掛けが詰まった本なのですけれど、実際目にするとここで表現している以上の愉快さが待っているので読もう。

 

1番始めのページには哲学者エピテクトスの言葉が書かれている。

「自由とは欲望を満たすことではなく、欲望を捨ててこそ得られるもの。欲望にふりまわされている人は自由人とはいえない。」

聞いてるかジョージ。おい。どうするジョージ!